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この記事は、公的機関や専門家の発信情報をもとに012.kids編集部が独自にまとめたものです。元の情報についてはページ下部の「参考にした情報」をご確認ください。
3〜5歳🏥健康・医療

子どものアトピー性皮膚炎:スキンケアと治療の最新ガイド

アトピー性皮膚炎の正しい知識とスキンケアの基本、ステロイド外用薬の正しい使い方をまとめました。

公開: 2025-12-01更新: 2026-03-0915分で読めます

012.kids 編集部

公的機関・専門家の情報をもとにまとめています

アトピー性皮膚炎は、子どもに多いアレルギー性の皮膚疾患です。乳児期に発症することが多く、日本では子どもの約10〜15%がかかると言われています。かゆみや湿疹に悩むお子さんと保護者の方に向けて、正しい知識とケアの方法をまとめました。


アトピー性皮膚炎とは

基本的な特徴

アトピー性皮膚炎は、以下の3つの要素が組み合わさって発症します:

  1. 皮膚のバリア機能の低下: 皮膚の最外層である角質層のバリア機能が生まれつき弱い体質があります
  2. アレルギー体質(アトピー素因): アレルギー反応を起こしやすい体質が背景にあります
  3. 環境要因: ダニ、ほこり、汗、乾燥、ストレスなどの外部要因が引き金となります

年齢による症状の特徴

乳児期(0〜2歳)

  • 顔(頬やおでこ)から始まることが多い
  • じくじくした湿疹が特徴的
  • 頭皮にかさぶた状の湿疹(乳児脂漏性湿疹との鑑別が必要)

幼児期〜学童期(2〜12歳)

  • 首、ひじの内側、ひざの裏など関節の内側に症状が出やすい
  • 皮膚が乾燥してカサカサになりやすい
  • 掻きこわしによる皮膚の肥厚(苔癬化)が見られることも

思春期以降

  • 顔や首、上半身に症状が出やすい
  • 精神的ストレスで悪化しやすい

スキンケアの基本:保湿が治療の土台

アトピー性皮膚炎の治療において、保湿は最も基本的で重要なケアです。炎症がある時期もない時期も、毎日の保湿を続けることが大切です。

保湿剤の種類と選び方

| 種類 | 特徴 | 代表例 | |------|------|--------| | ワセリン | 皮膚の表面を覆って水分の蒸発を防ぐ | 白色ワセリン、プロペト | | ヘパリン類似物質 | 水分保持力が高く、皮膚に潤いを与える | ヒルドイド | | 尿素製剤 | 角質を柔らかくする効果がある | ウレパール(小さな子には刺激が強い場合あり) | | セラミド配合製品 | バリア機能を補う | 市販のセラミド入り保湿剤 |

保湿の正しい塗り方

1. タイミング

  • お風呂上がり5分以内が最も効果的です。肌がしっとりしているうちに塗りましょう
  • 1日2回(朝と入浴後)を基本とし、乾燥がひどい部位は追加で塗ってもOKです

2. 量の目安

  • **FTU(フィンガーチップユニット)**を参考にします
  • 大人の人差し指の先から第一関節まで出した量(約0.5g)が、大人の手のひら2枚分の面積に塗る目安です
  • 子どもの場合、体が小さいので少なめに感じるかもしれませんが、ティッシュが貼りつく程度がちょうどよい量です

3. 塗り方のコツ

  • 皮膚のしわに沿って(手足は縦方向に)やさしく伸ばします
  • 擦りこまず、手のひらで覆うように塗ります
  • 関節の裏側、耳の後ろなど塗り忘れやすい部位にも注意を

ステロイド外用薬の正しい理解

「ステロイドは怖い」は誤解?

ステロイド外用薬に対する不安を持つ保護者の方は多いですが、適切に使えば安全で非常に効果的な薬です。日本皮膚科学会のガイドラインでも、アトピー性皮膚炎の治療の中心に位置づけられています。

ステロイド外用薬のランク

日本では外用ステロイドは5段階に分類されています:

  1. ウィーク(弱い): コルテス軟膏など
  2. マイルド(穏やか): リドメックス、アルメタなど
  3. ストロング(強い): リンデロンV、フルコートなど
  4. ベリーストロング(とても強い): アンテベートなど
  5. ストロンゲスト(最も強い): デルモベートなど

子どもの場合、部位や年齢に応じてマイルド〜ストロングのランクが使われることが多いです。顔にはより弱いランクのものが選ばれます。

正しい使い方のポイント

  • 医師の指示どおりの量と期間を守りましょう
  • 症状がよくなっても自己判断で急にやめないことが大切です
  • 「プロアクティブ療法」:よくなった後も間隔を空けて塗り続けることで再燃を防ぐ方法が推奨されています
  • 塗る順番は「保湿剤を先に塗ってからステロイド外用薬」が一般的ですが、医師に確認しましょう

ステロイド以外の外用薬

  • タクロリムス軟膏(プロトピック): 2歳以上で使用可能。顔や首など、ステロイドを長期間使いにくい部位に有効です
  • デルゴシチニブ軟膏(コレクチム): 比較的新しい薬で、JAK阻害薬の外用剤です
  • ジファミラスト軟膏(モイゼルト): PDE4阻害薬。生後3ヶ月以上から使用可能です

入浴のポイント

お風呂の入り方

  • **お湯の温度は38〜40℃**のぬるめに設定しましょう(熱いお湯はかゆみを悪化させます)
  • 長湯は避けて10〜15分程度にしましょう
  • 石けんは低刺激のものを選び、よく泡立ててやさしく洗います
  • ナイロンタオルやスポンジは使わず、手で洗うのが基本です
  • 石けんは必ずしっかり洗い流してください

注意点

  • 入浴剤を使う場合は、保湿系のものを選びましょう(清涼感のあるものは避ける)
  • 塩素が気になる場合は、ビタミンCによる中和や浄水シャワーヘッドの使用も選択肢です
  • 夏場の汗は症状を悪化させるため、シャワーでこまめに流してあげましょう

衣類と寝具の選び方

衣類のポイント

  • **綿100%**の柔らかい素材が基本です
  • 新しい衣類は一度洗ってから着せましょう(ホルムアルデヒドなどの除去のため)
  • タグやレースが肌に当たって刺激になることがあるので、裏返しに着せる工夫も
  • 化学繊維やウール素材は避けたほうがよいでしょう

寝具のポイント

  • 布団カバーは綿素材でこまめに洗濯を
  • ダニ対策として、防ダニシーツの使用も有効です
  • ぬいぐるみはダニの温床になりやすいので、寝室には最小限にしましょう
  • 室温と湿度の管理も重要です(湿度50〜60%を目安に)

食物アレルギーとの関係

アトピー性皮膚炎と食物アレルギーは関連がありますが、「食物アレルギーがアトピーの原因」というのは必ずしも正確ではありません

最新の考え方

  • 皮膚のバリア機能が低下していると、皮膚から食物アレルゲンが侵入し、感作(アレルギーの準備状態)が起こりやすくなる(経皮感作
  • むしろ口から食べることでアレルギーが起こりにくくなる(経口免疫寛容
  • したがって、アトピーの治療で皮膚をきれいに保つことが食物アレルギーの予防にもつながるという考え方が主流になっています

食事制限について

  • 医師の診断なしに自己判断で食物除去をしないでください
  • 不必要な食物除去は栄養不足や発育障害につながるリスクがあります
  • 食物アレルギーの診断には食物経口負荷試験が最も信頼性が高い方法です
  • アレルギーが確定した食品についてのみ、必要最小限の除去を行います

園生活・学校生活での注意点

保育園・幼稚園

  • 入園前に園に疾患について伝え、必要な配慮を相談しましょう
  • 薬の塗布の依頼が必要な場合は、主治医の指示書を用意します
  • プールの後はシャワーでしっかり塩素を洗い流し、保湿を行います
  • 砂場遊びや粘土遊びの後は手洗いと保湿をしっかりと

小学校

  • 体育の授業後に汗を流せるよう、学校と相談しましょう
  • 保健室での薬の塗布について事前に確認を
  • 見た目のことで悩む子どもの気持ちに寄り添い、必要に応じてクラスへの説明を先生にお願いすることも

日常生活でできる悪化因子の対策

主な悪化因子と対策

  • こまめに汗を拭き取るか、シャワーで流す
  • 汗をかいたら着替えを

乾燥

  • 保湿を基本に、加湿器の活用を
  • 冬場のエアコン使用時は特に注意

ダニ・ほこり

  • こまめな掃除と換気
  • 布団は週に1回は干し、掃除機をかける
  • カーペットよりフローリングが望ましい

ストレス

  • ストレスで無意識に掻いてしまうことがあります
  • 十分な睡眠、規則正しい生活リズムが基本です

掻きこわし対策

  • 爪を短く切っておきましょう
  • 乳幼児にはミトンやかきむしり防止の衣類も有効です
  • かゆい時は冷やしたタオルを当てると楽になることがあります

治療のゴールと長期的な見通し

治療のゴール

アトピー性皮膚炎の治療のゴールは「症状がない、あるいは日常生活に支障がない状態を維持すること」です。完全に治すことを目指すのではなく、うまくコントロールして日常生活を楽しめることが大切です。

長期的な見通し

  • 乳幼児期に発症したアトピー性皮膚炎は、成長とともに改善する子が多いです
  • 1歳までに発症した子の約半数は、学童期までに症状が落ち着くと言われています
  • ただし、一部の子は思春期以降も続くことがあり、長期的なケアが必要です
  • 適切な治療を継続することで、重症化を防ぎ、将来的な改善につなげることができます

まとめ

アトピー性皮膚炎の治療の三本柱は、①保湿によるスキンケア②ステロイド外用薬などによる炎症の抑制③悪化因子の対策です。

「ステロイドは怖い」「食べ物を除去すればよくなる」といった誤った情報に振り回されず、皮膚科の専門医と相談しながら正しい治療を続けることが、お子さんの生活の質を守る一番の近道です。

治療は長期戦になることもありますが、多くの子どもが成長とともに改善していきます。お子さんと一緒に、焦らずケアを続けていきましょう。

大切なお知らせ: この記事は各種専門機関のガイドラインをもとに編集部がまとめたものです。治療方針については必ず主治医にご相談ください。

さまざまな見方・意見

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多くの機関が支持する見方

適切なスキンケアとステロイド外用薬を中心とした標準治療により、多くの患者で良好なコントロールが可能です。

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中立的な見方

「ステロイドは怖い」というイメージに惑わされず、医師の指導のもと正しく使うことが子どもの生活の質を守ります。

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一方でこんな意見も

お子さんの状況は一人ひとり異なります。この記事の情報は一般的な内容であり、個別の判断は専門家にご相談ください。

参考にした情報(5件)

アトピー性皮膚炎に関する診療ガイドライン等

支持的 中立 慎重

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